ミニトマトの怪


裏庭で 「はじめての家庭菜園」に挑戦してから早いもので9年、その間学んだことがある。

「野菜は手を掛けないとうまく育たない」

手を掛けずに育てる「自然農法」というのもあるが、野菜作り素人にとってはそれもハードルが高い。見よう見まねでやってもうまく育たない。

辿り着いた結論は「家庭菜園は老後までとっておこう。」

しかし、、、

毎年秋には「来年はもう野菜を植えない」と心に決めるのだが、春に野菜の苗が店先に並ぶとついつい買いたくなって「ダメ元で2〜3株植えてみよう」となるのである。

2016年の春もそういう理由で、安いミニトマトを2株程入手しようとホームセンターを訪れた。

店には 多くの種類のミニトマト苗が並んでいる。

どうせ育たないのだから安い苗で十分と思っていたが、各々の説明文きを読むうちに「甘くてフルーツのよう」とか「甘味が強い大玉」という文字に釣られ、気がつけば値段の高い苗を3株カゴに入れていた−苦笑。

すると隣から悪魔のささやきが・・・
「シシトウも買おうよ。あっ、パプリカもいいな。どうせなら 赤とオレンジの2つ」と彼。

結局、価格が高いミニトマト2株とシシトウ2株、パプリカ2株で計2千5百円越えに。

「育たないのがわかっているのに、豪華に買っちゃった。」
「これで一年間楽しめるんだから 安いもんさ!」


さすが高い値段のトマト苗、株がしっかり育って5月末には 花も咲き始めた。




なんだか 順調そう♪


 

6月になると、かわいい青い実がなりはじめた。
やっぱり値段の高い苗は違うんだね。ちょっと期待できそうかな♪

・・・と思っていたら、、、

7月になって気温が上がり、虫たちが活発になった頃、小さな虫がたくさん、まだ青いトマトにかぶりついているではないか!

熟していない青いトマトに虫がつくなんて、考えてもいなかった。
まぁ、それだけ「甘いトマト」ということか・・・

虫たちも裏庭の住人、トマトを食べる権利はある。
まあ、ちょっとくらい 虫に食べられても仕方ないね。


しかしその後、少しずつ色づいて「もう少しで食べ頃?」というトマトが消えるのだ。


 

地面に落ちた形跡もなく、忽然と姿を消すのである。
「虫にしては 大食漢だよね」
「ウサギが食べた? サルかな・・・? 」

原因がわからないまま季節は夏の終りへ・・・


今年の収穫はすっかり諦めていた裏庭のミニトマトだったが、8月末に奇跡的に3粒採れた。




トマトの苗が大きくなって、地面から少し高めの位置に実を付けたからだろうか。

早速、採り立てミニトマトは 朝食に。




初心者の素人菜園にしては、味も香りも上出来かな・・・

まだ少し青いミニトマトが成っているので、9月に期待だね♪


9月半ば、赤くなったミニトマトを期待して出かけてみれば、、、

赤いトマトが3〜4粒枝にぶらさがっていたが、よく見ると虫がかじったあとがあり、その部分からどれも腐り始めている。

やっぱり甘くて香りのよいトマトは、虫に人気なんだね。

ふと地面を見ると、そこにはまだ落ちたばかりできれいな赤いミニトマト。
トマト摘みならぬ、トマト拾い・・・




拾ったトマトは生食せずに、煮込み用に。

結局ミニトマトに関して辿り着いた考えは、「甘くておいしい高価なトマト品種は 裏庭には不向きである。」

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