ニュウナイスズメのカップル


街中では身近な野鳥であるスズメ、
しかし同じスズメでも『ニュウナイスズメ』を観る機会はあまりない。

でも裏庭では、木々の高い梢の間を通り過ぎるニュウナイスズメをたまに見かけることがある。

シジュウカラやゴジュウカラなどお馴染みさんを見飽きた頃に見つけるニュウナイスズメは、地味な羽色にもかかわらずなんだかとっても美しく、特別なものに思える。


そんな私にとっては貴重なニュウナイスズメ、
この春にゆっくり観察できる機会がやってきた。




5月ゴールデンウィーク、庭の片隅にちょっとだけ残った雪の上で仲良くエサ探しをするカップル発見。

少し前まで各々木の枝に止まって相手をチェックしていた感じだったが、どうやら カップル成立のようだ。

いつもは梢の上で葉っぱの影からチラッとその姿を拝める程度だが、この日は小屋の窓からゆっくりとそのかわいい姿を観察できた。

「わぁ〜、ラッキーだったね〜♪」


6月最初の土曜日、久々に小屋からバードウォッチング。

彼がテラスから探していたのは夏鳥の『キビタキ』、
小屋の近くまで飛んできてもなかなか姿を見せてくれないので、双眼鏡を使ってその姿を探していた。

すると、彼の視界の中にスッー と飛ぶ影が・・・、そして突然フッと姿が消えた。

不思議に思って消えたあたりを双眼鏡で見てみたら、、、




そこには小さくきれいな丸い穴、キツツキが開けた穴のようだ。

「あそこに入ったと思うんだ。」

そう言って、彼が根気よくずっとその丸い穴を見続けいると・・・


うん? なにか 動いた!!




丸い穴から顔を出したのは、ニュウナイスズメのメスだ。

少しだけ顔を出して、あたりのようすを伺ったり巣穴の中へ戻ったり、何回か繰り返した後で穴から出てきた。



どうやら巣番を交代するオスを待っていたようだ。
メスが飛び去ったと同時にオスが巣穴に戻ってきた。




オスはすぐさま巣穴の中に消えた。

観ていると、約10分間隔でオスとメスが交代している。
メスは一度巣穴に入ると7〜8分は姿を見せず、ちゃんと卵を抱いているようだ。

一方、オスといえば、、、






5分程度で巣穴から顔をのぞかせてあたりをキョロキョロ、
「早く帰って来ないかな〜」と落ち着きがない。

メスが戻ってないのに出かけて行ったり、一度外へ出ると12〜3分戻って来なかったり、、、ほぼ10分以内に戻るメスとはどうも様子が異なる。

「オスってのは、そういうヤツなんだな〜!!」
「そんなことないよ、きっとあの固体、あのオスがそういう性格なんだよ。」

生物学的に同じオスである彼はあわてて性格説を主張・・・

まあ、そんな性格差も観察できて、とっても楽しいひとときだった。




↑「まだかな〜」とオスがようすを伺っているところから交代のメスがスーッと巣穴に戻るまで・・・ (メスは一瞬にして巣穴に消えるのでお見逃しなく!!)

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