巣箱の住人 3年め [2009]


今年も巣箱を設置する季節がやってきた。




昨年は16軒分譲して、10軒にシジュウカラ入居し、5軒は何かの生き物が利用してくれた。

今年は3つの巣箱を新築して、全部で19軒。




「こんな晴れている日に、山にも行けずにテラスで巣箱作りしているなんて・・・」

「だって『雪が降るとテラスで作業できない、晴れると山へ登らねばならぬ』とか言って、今までしなかったんじゃない・・・」


巣箱を設置するのは冬の2月。

新築の3個は、今年が初めてのトライになる設置希望のご近所さんに・・・
「 テラスから楽しめるといいね。 」


 

小屋周辺には13個。
梯子に登ったり、木によじ登ったり、去年熊が登ったミズキの木にも・・・


 

 

残りは3個は、去年も設置したご近所さん3軒に1個ずつ設置。


 

近くの家に遊びに来ていた子供も興味津々・・・。


 

今年は巣箱に番号を付けて設置場所を確認。
いつも撤去時に探すのが大変だものね。


4月半ば、9番の巣箱に動く影発見!!

シジュウカラにしては、尻尾が短いみたい・・・



「ほら、ゴジュウカラだよ!」
「彼らも巣箱利用するの?」
「単なる興味で覗いてるだけ?」


 

「入居検討中かな〜?」
「でも、小さな葉っぱとか泥みたいなものを運んでいるよ」

ゴジュウカラは巣箱の入口にとまり、そこで何やら作業中・・・

どうやら入口付近を自分の気に入るようにリフォームしているみたいだ。

結局、その日は夕方までずっと、ゴジュウカラは巣箱リフォームに費やしていた。

「今年の入居者第一号は、9号棟のゴジュウカラさんね〜」





5月ゴールデンウィーク、シジュウカラが巣箱に 出入りしている。

コケを運んで本格的に巣作り。

 


今年はゴジュウカラに始まって、シジウカラも 昨年同様に来てくれている。

「今年も順調でよかった〜!」と思っていたのだが・・・


その後、この巣箱に出入りするシジュウカラの姿を見かけなくなり、他の巣箱も時々中をのぞきに来る姿を見かけたものの巣作りしているようすもなく、昨年の夏は テラスから巣箱のようすを観察して楽しんでいたのに、今年はテラスから見える巣箱のどれにもシジュウカラが出入りしているのを確認できない。

そして季節はそのまま秋に・・・

11月半ば過ぎ、巣箱を回収する日がやってきた。




高い木の上に設置した為に雪が積もらないと梯子でも届かないものを除き、巣箱をすべて回収した。

まずは、開けるのを楽しみにしていたゴジュウカラの巣。




内部には主に「木の皮」が敷き詰められていた。

シジュウカラの「コケ」から比べるとクッション性はあまりなさそうだが、ゴジュウカラにはこれが快適なのだろう。

次に、シジュウカラの巣。




ふかふかにコケが詰め込まれている。
この巣では無事にヒナが巣立ったかもしれない。

他には、割れた卵が出てきた巣が2つ。


 

何かに襲われて放棄したのかな?

そしてこんな巣も。




中には骨と羽だけになった一羽のシジュウカラ。

何が あったのだろうか。
この巣ではシジュウカラのカップルが仲良く巣作りしていた姿を確認できていただけに残念。

自然界はほんとうに厳しい・・・

 

巣箱のいくつかには落ち葉がぎっしり詰められていていて、鳥以外の小動物に利用されているようだった。

それらは冬の間彼らがいつでも使えるように、そのまま木の上でキープ。

しかし今年は多くの巣箱が利用されずに終わった。

巣箱は3年連続で掛けてきた。




今年は、巣箱から巣箱へ渡り歩くカラスも見かけた。
頭のよいカラスが巣箱を学習しているとも考えられる。

カラスなどの天敵が近くでウロウロしていれば、シジュウカラは警戒して巣作りしないだろう。

それに、せっかく巣作りしてくれても、何かに襲われて子育て失敗するようでは巣箱を掛けることがかえってマイナスになるかもしれない。

「来年は巣箱掛けをお休みしてみようね・・・」

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