気候のよい時期は、朝目覚めるとテラスでティータイムをする。
コーヒーや紅茶を飲みながら庭を眺め、鳥や蝶・虫などを観察するのも朝の楽しみである。
6月半ば、いつものようにテラスから 庭を眺めていると、ミニ水芭蕉園近くの草陰がモザイク模様のように動いた。
「草の向こうに何か動物がいる?」
そう思って静かに眺めていると、、、音もなく草むらからヌ〜ッと予想より大きな動物が現れた。
「ほら、カモシカ!」
そばで鳥を観察していた彼に小さく声をかける。
ほんとうに小さくささやいたのに、カモシカはしっかり止まってこちらを見た。
カモシカが立っているのは裏庭にある獣道。
冬の雪上に時々足跡があるので裏庭周辺にいるのは わかっていたが、その姿を見るのは初めてだ。
「お願い、しばらくそのまま動かないで・・・」
彼がカメラを取りに室内に入った音に驚き、ちょっとジャンプして逃げる体勢になった。
でもやっぱり、こちらのことが気になるらしい。
しばらくこちらを眺め、それからゆっくり去っていった・・・
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