庭の一角に 大きなカエデの木がある。 すぐ横に細い木が一本はえているのだが、そこに私達は巣箱をかけていた。
夏、その木の上の方で、葉っぱが一塊枯れているのに気がついた。 「何で枯れたのかな〜?」 「虫?」 「いや、大きな枝ごと折れているみたいだ。」 大風が吹いて枝が折れたのかもしれない。 そのまま特に気に留めることもなく過ごした。
秋は鳥の巣箱を回収する時期である。 当然、この木に取り付けた巣箱も彼が回収しに行った。 そこで 彼が目にしたものは・・・
クマの鋭い爪あと!
この木は ミズキだろうか。 どうやらその実を目当てに登ったようだ。 枝ごと折ってその実をゲットするなんで、とっても大胆!! 「私達の留守中に侵入したのね?」 「でも、ここは本来彼らの領域、侵入者はこちらかも・・・?」 「クマさ〜ん、侵入者の私達だけれど、仲良くしてね〜!」
11月後半、大きなカエデの奥(小屋からは見えない場所)にある木に掛けた他の巣箱を回収に行った。 巣箱をかけた木やその周囲の木にも、枯れ枝が引っかかっていた。 どうやら同じ種類の木で、枝を折ったのはクマさんのようだ。
「人間の手じゃ絶対に折れないこんな太い枝、どうやって折るのかなぁ? 見てみたいね〜。」 「秋に近くへ来た時に、この辺でパキパキと木が折れる音がしていたけれど、あの時、熊ポンがいたのかもねぇ。」 「おしいな〜! そんな時はちゃんと木の上も見て、チェックしなきゃ〜!」 う〜ん、クマに遭遇しなかったのはラッキーだったのか、それとも 残念だったのか、気分は複雑・・・