「カマドウマ(竈馬)」
「昔、台所の竈付近でよく見かけた馬のような虫」というちょっと微笑ましい名前を持つ虫。
寒くなるに従って、浴室でカマドウマを見かけるようになった。
どうやら基礎部分から越冬のために侵入してくるらしい。
私はこの虫をコオロギなどと同じ「秋の虫」という扱いで、見つけたら素手で捕まえて外に放している。
しかしこのカマドウマ、薬品メーカーなどでは「害虫」扱いになっている。
で、その被害の項目を見てみると・・・
「特にナシ」とか「湿気たところに現れて不快感を及ぼす」とか書いてある。
要は「何の悪さもしない」ということである。
それなのに、単に「人間に不快感を与える」という理由だけで殺されているようだ。
人間とはなんとおごりたかぶった生き物か・・・。
そういえば、子供の頃に祖母の家で「便所コオロギ」という別名を聞いたことがあった。
この虫を「不快」と感じるようになるのは、この誰が付けたかわからない別名のためかもしれない。
それを大人が子供に教える。
子供はカマドウマを「便所コオロギ」という不快な名前とともに記憶して忌み嫌うようになる。
結局親から子へと受け継がれるこの「ヌレギヌ」により、カマドウマは殺される運命にある・・・。
せめてわが家に入ってきた彼らだけは、無事に生き延びて欲しいと思う。
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