土地との出会い
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次に二人の頭に浮かんだのが、福島県会津地方。
登山だけでなく、バードウォッチングや冬のスノーシューで訪れる身近な場所。
私達が好きなブナの林も たくさんある。
冬の積雪を考えると「住むのは無理」ということで、会津地域は田舎暮らし候補地に入っていなかった。
でも「週末の遊び場所」としては最高の拠点になるように感じた。
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早速インターネットを使って、土地を探し始めた。
長野に比べ、なぜか あまり分譲地がネットにでていない。
たまにあっても、私達の予算を大幅に越えたものが大半だった。
パソコンで眺めて悩んでいるだけではしかたがないので、意を決して地元の不動産屋さんにメールを出した。私達の希望と予算を提示して・・・
「バカヤロウ!」っていう返事がくるのを覚悟していたが、「その予算でいくつか紹介できるので、一度見学に来ないか?」という内容のメールが届いた。
期待と不安を胸に、次の週末、二人で現地に出かけた。
ハッキリ言って、私達の低予算に合う土地は「やっぱりね〜」というものばかりだった。
・ 急な坂道を上った所にある土地
・ 狭すぎて建物が建てられない土地
・ 真ん中に川が流れていて家を建てる場所がない土地 etc
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「こんなヤブは嫌でしょうね〜」と最後に紹介された土地は、私達にとって「運命」を感じさせるような場所だった。

藪のように生えている雑木と雑草が茂る平地、
普通の人なら嫌だと思うのだろうが、私達にとってはまさしく一目惚れの土地だった。
その日、家に帰る車中で二人とも 心の中で「あの土地を買おう」と考えていた。
ただ、「一目惚れ」はとても危険。
その後2週間、お互いに心の中で自問自答を繰り返し、「天候が不利な条件の時にもう一度土地を見に行こう」ということになった。
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大雨が3日間降り続いた後、私達は再度あの気に入った土地を見に行った。
その土地が気に入った大きな理由は、土地の半分以上が雑木林ということだった。建物を建てる部分は平坦地、それ以外の場所は傾斜地で雑木が生えていた。
そのお気に入りの雑木林は、3日間の大雨で池になっていた。少し窪地になっているので仕方がないのかも。
でも、いくら窪地だからと言っても水が溜まっている量が多すぎるような気がした。
よく見ると、前の舗装道路からパイプが突き出ていて、そこから水がピチャピチャ流れている。
どうも 道路の反対側の土地に溜まった水を道路下にパイプを通して、その窪地に流しているようだった。
排水溝はなく、流された水はその窪地に池のように溜まっていたのである。
それでも「アバタもエクボ」、一目惚れは怖い。
池のようになった土地を目の前にしてもまだその土地が好きで、どうしても諦めることができない。
2日後、再度土地を見に出かけた。
もし2日間で水が引くのなら、土地を買うのも悪くない・・・と。
すると、あの池のような水溜りはなくなっており、水は引いていた。
どうやら土地柄、水は2日もあれば引くようだった。
ただ、一度見てしまったあの池のような状態、それを何も言わずに不動産屋さんの言いなりに購入するのには抵抗があった。
それでとりあえず電話で不動産屋さんに言ってみた、「池のようになっていたので、もう一度考え直したい」 と。
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すると、不動産屋さんはあっさりと言った、「近くにある他の土地はいかがですか。」
予想外の展開だった。
以前、「近くに他の物件もあるが金額が高い」との説明を受けていたからである。
それを今になって「価格交渉したので予算内で購入できる」というのである。
ちょっと不信感が芽生えないではなかったが、とりあえず翌週末にその土地を見に行くことにした。

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新しく紹介された土地は、購入予定だった土地より少し山側にあるので「広々とした開放感」はなかったが、土地のほとんどが緩やかな傾斜で土地の有効利用を考えるとこの新しい土地の方が良さそうだった。

結局、その日のうちにこの新しい土地の契約書を交わし、手付金を支払い、土地の買付予約が 成立した。
後日正式に土地の契約を行った。
土地代金や経費をすべて支払ってから司法書士さんが登記手続きをするので、登記簿謄本が手元に届くまで1〜2週間程度を要した。
その間、「本当に登記手続きしてくれてるのかな」とか「詐欺にあっていないかな」という不安もあったが、10日間程度で無事に登記手続きが完了し、謄本が手元に届いた。
何となくホッとした。
土地購入当初は一目ぼれした前候補地の印象が強く残っていて、「前の土地の方が好き」とか 「新しい土地は木が少なくてイヤ」 などと言っていたが、正式に自分達のものになって何回か現地を訪れているうちに愛着がわき、「こんなに良い土地は他にはない」と思うほど 気に入ってしまった。
人間って意外に単純かも・・・ (笑)
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